人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Paris Gourmand パリのおいしい日々2

パリ国立オペラ座バレエ 夏の夜の夢・バランシン Le Songe d'une nuit d'ete/Balanhine Ballet de l'Opera de Paris

09, 17 mars 2017

Wow! Rien que pour le décor et les costumes signes par Christian Lacroix, Le songe d’une nuit d’été de Balanchine est fantastique.
Le premier de cette production, entrée a l’Opera de Paris. Tout le monde a été enchantes par ces beautés absolues et feeriques de ce grand couturier.
C’est pas un des plus sublimes pièces de Balanchine pour moi (il n’est pas très doue pour raconter une histoire, en plus Le Songe de Neumeier est tellement extraordinaire…) mais grâce a la dramaturgie de Shakespeare et au talent de Monsieur Lacroix, c’est une pièce charmante.
Les eleves de l’ecole sont vraiment chouettes. Notre future etoile, Paul Marque est très mignon/bien. Ravissante Eleonora est belle comme tout. Couple Laetitia & Alessio m’ont rappelle de la belle époque. Sae Eun était suave comme tout.
Malgré l’orchestre, on a eu un très beau reve d’une nuit d’ete.
Merci a nouveau, Benjamin Millepied d’avoir demande a Christian Lacroix pour créer non seulement les costumes mais aussi le décor. Les patrimoines de Millepied resteront pour longtemps a l’Opera. 
オペラ座バレエ、バランシン「夏の夜の夢」、オペラ座初上演の初日、会場の盛大な拍手は、クリスチャン・ラクロワにむけられた。
1962年にNYCBのために作られた、アプストレの巨匠による、珍しい物語バレエ。作品自体は、はっきり言ってバランシンの傑作ではないと思う。彼は、ストーリーを語るのに長けていない。物語部分がどうしてもダラダラする。ノイマイヤー振り付けの夏の夜の夢がただただ素晴らしいので、それとも比較しちゃうし。
そんな作品の、今回の注目は、なんと言っても、ラクロワによる、衣装と内装の再構築。衣装は今までにもなんども素晴らしいものをオペラ座に提供してきたクチュール界の重鎮だけど、舞台もやってくれるのは初めてじゃないかな。
そして期待をさらに上回る、見事な舞台デコ(特に1幕、森の中)。初夏の幻想的な魔力漂う森、咲き乱れる花影に集う妖精たち、、。会場全体が、魔法にかかった森に一気に連れて行かれる。
衣装、一体何点作ったんだろう?ダンサーたちのも素敵だけど、大勢の生徒たちがまとった昆虫妖精の衣装が本当に見事。衣装展、開催したほうがいい。ラクロワの真骨頂、というより集大成的な見事さ。最初と最後に出てくるティタニアとオベロンのマントなんか、生地の質感だけでため息がでる。
初めての主役(といっても、あんまり踊らない役だけど)かつ初日に抜擢されたポール・マルクは、ちょっと硬さはあるものの入団3年目としては申し分ない技術&演技。彼の、マチアスを思わせる浮遊感と速度のある技術、本当にいい。
1年目のコンクールのときから、この人は将来エトワールと思っている。最初のコンクールを見た時点で未来のエトワール確定、と思うダンサーがたまにいる。マチューやドロテ、マチアスなんかがそうだった。フランソワもそうなんだけどなぁ、いつ??
相手は、貫禄たっぷりエレオノーラ。この役、もう少し若いダンサーのほうがいい気もするけど(レオノールかミリアム&マチアスとかも最高だったでしょうね)、エレガントでなによりとにかく美しくオーラに満ちていて、見ていてとても気持ちいい。
引退間近のエマニュエルのパックを楽しみにしていたのに、怪我降板で残念。ノイマイヤーのパックも最高だけど、彼はこういう役の大家。代わったユゴも頑張っていたし可愛い役なので観客受けはいいけれど、わざとらしい役を自然体でこなせるエマニュエルとは比較にならない。どうしても、がんばってまーす!感が気になる。
レティシア&アレッシオのハーミア&リザンドルは、20年近く前の二人のカップリングを思い起こしてほっこり。二人とも、年取っても愛くるしさが変わらない。
そして昨夜もう一人素晴らしかったのは、セ・ウン。緩やかなアダージョは、セ・ウンのたおやかなシルエットときれいな技術を引き立てる。ベテランカールの安定感に導かれ、とても繊細で美しいディヴェルティッスマン。
オケはいつもよりさらにひどく、メンデルスゾーンへの冒涜なのが残念だけど、シェークスピア自体の力と、舞台&衣装の圧倒的な美、そして半分くらいのダンサーたちの頑張りと、最高に可愛らしい学校生徒たち(お小姓役の子、かわいすぎ)のおかげで、見事にフェリックで美しい夢が描かれた。
幕間後、席に戻る時、目の前にとても美しいジャケット。あ、ムッシュ・ラクロワだ。今夜はラクロワのハンドバック持ってるし、声かけちゃおう。”感動的な舞台とコスチュームを、ありがとうございます!”と話しかけると、見事な笑顔の”ありがとう!”が返ってきて、”ここ段差があるよ、気をつけて”と、優しく腕をささえてくれた。
クリスチャン・ラクロワと、彼に衣装だけでなく舞台も任せたバンジャマン・ミルピエに心から感謝したい公演。ミルピエは幻のようにいなくなってしまったけれど、彼が残した功績は、ダンサー的にも公演的にも、これからのパリ国立オペラ座の貴重な遺産として残っていくはず。
パリ国立オペラ座バレエ 夏の夜の夢・バランシン Le Songe d\'une nuit d\'ete/Balanhine Ballet de l\'Opera de Paris_d0347869_00483228.jpg
パリ国立オペラ座バレエ 夏の夜の夢・バランシン Le Songe d\'une nuit d\'ete/Balanhine Ballet de l\'Opera de Paris_d0347869_00464924.jpg


Le Songe d’une nuit d’été de Balanchine, a nouveau.
Bien revenu a Paris, notre tout nouvelle Etoile, Hugo!
Comme la première, c’est le décor et les costumes qui sont vraiment fascinants ainsi les élèves de l’ecole.
Le Songe de Neumeier me manque….
オペラ座バレエ。バランシン”夏の夜の夢”。
今夜は、日本でエトワールになったユゴの、オペラ座でのエトワール初舞台。ユゴがオベロンに配役された時、バランシントラストからケチがついたそう。体が大きすぎて、軽やかさが出ないんじゃないか?と。稽古を見たトラストが最終的にOKを出したらしいけど、その懸念がわかった気がする。もちろん上手だし、存在感も雰囲気もいい。でも確かに重いというか、んーちがうな。重くはない。みっちりした質感を感じてしまう、かな。妖精飛び交う魔法の森には、軽やかで見事な技術に加えてほわっとした優しい浮遊感ただようポール・マルクの方が、私にはしっくりきた。
相手はハナちゃん。姿形が美しく、ピンクのドレスがお似合い。それなりにいいけど、んー。”比べてみると、初日のエレオノーラはやっぱりすごい、雰囲気、経験値、オーラ、舞台支配力、全てさすがでしたね!”と、近くにいた同業者と意見があっちゃう。カールとのパ・ドゥ・ドゥ、リフトがしっくりこないのは、多分彼のせいじゃなくて彼女の問題な気がする。リフトだけは完璧なカールにしてはちょっとあれれ?な箇所がちらほら。リフトってする方の技術も大切だけど、上手に”される”技術も必要だね。リュドミラなんかはとても上手。初日カールと踊ったセ・ウンもきれいにリフトされる術を知っているダンサー。
今夜はエレナを踊ったセ・ウン、初日のディヴェルティスマンの方がよかった。演技力というか表情力がやっぱり弱い。化粧もう少しくっきりさせて目力つけるといいんじゃないかしら。
初日に比べてよかったのは、パックのアントワーヌ・キルシェ。シュッとキレがあってスピーディー。エマニュエルの後を継ぐのは彼だと、バヤデールでイドルドレを見たときから思ってる。
パピヨンも、今夜のアリス・カトネの方がいい。ちょっと失敗したところもあったけどオッケー。ミテキちゃんに少し雰囲気が似ていて、好きな若手ダンサー。去年のコンクールもとてもよかった。
ディヴェルティスマンのマリオン、頑張ったねー。セ・ウンほどの技術はないけど、全体的にきれいでマル。次のプルミエール・ダンスーズ枠、私はエロイーズよりもマリオン押し。
オケは相変わらず悲しい仕上がり。どうしてあんなにもったり重たい音を出すんだろう?指揮者の意向?長い前奏曲の前半、幕おりたままなので音楽を聴くしかなく、この最初の段階でのがっかり感はかなり大きい。ガルニエだったら幕の前奏曲は天井眺めて気を紛らわすのだけれど、バスティーユじゃそれもできない。
昨夜もやっぱり、一番心惹かれるのは、ラクロワによる舞台デコと衣装、そして学校生徒たち。
ノイマイヤーの”夏の夜の夢”が恋しすぎる。もう二度とオペラ座ではやらないのかしら。あれだけ見事なクラシックかつシュールなストーリー構成と、すばらしい登場人物のキャラクター作りが記憶に残っていると、バランシン版はどうしても浅い、、。チャーミングでかわいらしくはあるけれど。あ、ロバはバランシンのほうがいいかな(笑)。

パリ国立オペラ座バレエ 夏の夜の夢・バランシン Le Songe d\'une nuit d\'ete/Balanhine Ballet de l\'Opera de Paris_d0347869_00482726.jpg
パリ国立オペラ座バレエ 夏の夜の夢・バランシン Le Songe d\'une nuit d\'ete/Balanhine Ballet de l\'Opera de Paris_d0347869_00481166.jpg
パリ国立オペラ座バレエ 夏の夜の夢・バランシン Le Songe d\'une nuit d\'ete/Balanhine Ballet de l\'Opera de Paris_d0347869_00480898.jpg
パリ国立オペラ座バレエ 夏の夜の夢・バランシン Le Songe d\'une nuit d\'ete/Balanhine Ballet de l\'Opera de Paris_d0347869_00481989.jpg
パリ国立オペラ座バレエ 夏の夜の夢・バランシン Le Songe d\'une nuit d\'ete/Balanhine Ballet de l\'Opera de Paris_d0347869_00462947.jpg










by yukinokano2 | 2017-03-21 01:01 | アート

Journal de Yukino KANO, journaliste culinaire.  パリ在住ライター加納雪乃が綴る、フランス食文化を中心にした、おいしい日々の記憶。文章&写真の無断転載禁止。
by yukinokano2

検索