ロステルリー・ジェローム(ラ・チュルビ)L’Hostellerie Jerome La Turbie
理屈抜きに琴線に触れてくるシェフが、ごくたまにいる。例えば、ルイ・カンズにいたフランク・チェルッティ、ヴァンスにいた頃のジャック・マキシマン、そしてここ、ラ・チュルビでオステルリー・ジェロームをやっているブルノー・シリノ。料理がどれほどエモーショネルなものなのかを、彼らは強く感じさせてくれる。
2001年に初めて食べて以来、南仏とパリで名声を博したのちに可愛らしいラ・チュルビ村に腰を据えたこのナポリ人の美的センスと味のセンスに、私は惚れきっている。
2001年に初めて食べて以来、南仏とパリで名声を博したのちに可愛らしいラ・チュルビ村に腰を据えたこのナポリ人の美的センスと味のセンスに、私は惚れきっている。
以前は毎年のようにきていたのに、カフェができてからガストロノミーは夜しかやらなくなったので、なかなか来られなくなってしまった。4年ぶりくらいの夜訪問を、ニースへの旅を決めた時からとっても楽しみにしていた。
Les produits les plus meilleurs que les meilleurs. Je connais personne si engage, attache et obsédé dans le bon sens aux produits que Bruno. Sa cuisine est epure et brut mais en meme temps, très personnelle. Il peut se communiquer avec des produits. Je suis tombee amoureuse de sa cuisine et de lui en 2001et jamais ne cesse pas les aimer.
彼以上に南仏からイタリアのかけての食材を、知り尽くし、情熱を傾け、怖いくらいにナチュラルに、いい意味でナイーヴに、扱うシェフを私は知らない。
塩を当てたカロスのイチゴ&ジューシーな野生のアスパラガスを添えたシャンパーニュで乾杯。イチゴと野生のアスパラガスは今がハシリ。これをシャンパーニュを介して共存させるなんて、なんて素敵な感性だろう。また一段と痺れてしまう。
ニンニクの香りが美しいフェーヴのペースト、繊細きわまりないザリガニ&ほうれん草、セリアルの海辺で育てる信じられない味わいの紫アスパラガス&雪のようにかろやかなコンテのスフレ、優しい味のちいさなラングスティヌと甘酸っぱくマリネした枇杷、今この瞬間にこの土地の土から生まれた生気あふれる15種ほどの野菜たち、15年前と同じ組み合わせが懐かしいガンベローニ&甘やかなイカ&フェーヴ&自分で森で摘んでくる香り高いフヌイユ、ほろっと繊細なセントロロフ(イボダイ系らしい、初めて聞いた名前の魚)のロティール&やみつきになるジャガイモピュレ、ルジェ&トマトのピュアで繊細な組み合わせ、いたいけな甘さの中に野趣を感じる乳飲み仔羊&ムスロン、定番の組み合わせなのにとても新鮮に感じるイチゴ&ピスタチオ、そしてレモン。
同じくらい昔からシリノさんをたべている友達と、昔の内装や過去の名作、古いスタッフたちなんかの思い出話をしながら、しみじみ幸せな夜。
お腹いっぱいで死にそうになるのはイヤなので、ポーション少なめで、と言ったのを、ちょっと後悔。食べれば食べるほど、食欲湧いて来ちゃった。
限りなくブリュット、なのにきちんと調理されて強い個性を放つ、なんとも絶妙なバランス感覚。食材ときちんと会話して食材の希望に耳を傾けている、と感じる。シリノさんの料理を口にすると、食材が愛おしくてたまらなくなる。彼の弟子の一人、今をときめくクリストフ・プレの料理のルーツが、ここにあるのは明らか。シリノさんに料理してもらう食材はほんとに幸せだと思うし、彼の料理を味わえるゲストも同じだ。
お腹いっぱいで死にそうになるのはイヤなので、ポーション少なめで、と言ったのを、ちょっと後悔。食べれば食べるほど、食欲湧いて来ちゃった。
限りなくブリュット、なのにきちんと調理されて強い個性を放つ、なんとも絶妙なバランス感覚。食材ときちんと会話して食材の希望に耳を傾けている、と感じる。シリノさんの料理を口にすると、食材が愛おしくてたまらなくなる。彼の弟子の一人、今をときめくクリストフ・プレの料理のルーツが、ここにあるのは明らか。シリノさんに料理してもらう食材はほんとに幸せだと思うし、彼の料理を味わえるゲストも同じだ。
J’adore ta sensibilité, tes sens, ta passion, ton gout, ta famille, ton chat, ton equipe, tes paroles, ton cafe, ton village et toi-même. Quelle chance de vivre en meme temps que toi! Merci beaucoup et a très vite.
初めて会ってからもう16年、お互い年とったね、ブルノ(笑)。同じ時代に生きられて、長い年月にわたってここに来続けられて、とても感謝してます。
あなたの料理、センス、感性、情熱、意志、話、レストラン、カフェ、チーム、ホテル、猫、家族、村、そしてあなた自身が、とても好き。これからもずっとずっと、どうぞよろしく。
by yukinokano2
| 2017-04-12 04:40
| 食
Journal de Yukino KANO, journaliste culinaire. パリ在住ライター加納雪乃が綴る、フランス食文化を中心にした、おいしい日々の記憶。文章&写真の無断転載禁止。
by yukinokano2
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