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Paris Gourmand パリのおいしい日々2

ロンドン・シンフォニー・オーケストラ&サイモン・ラトルのストラヴィンスキーバレエ曲特集 パリ

22 septembre 2017

Pendant que des gourmands fêtent la gastronomie, des melomanes fêtent Stravinsky!
London Symphonie Orchestre & Sir Simon Rattle, L’Oiseau de feu, Petrouchka, Le Sacre de printemps. Braaaaaavo!
この週末は、フェット・ド・ラ・ガストロノミーで食いしん坊たちが食を祝っているけれど、音楽愛好家たちにとってはストラヴィンスキーを祝す週末で、フィルハーモニー・ド・パリでは3日間にわたり、ストラヴィンスキーづくし♪

オープニングは、ロンドン・シンフォニー・オーケストラ&ベルリン・フィルから離れてこのオケのトップになるサー・サイモン・ラトルによる、火の鳥、ペトルーシュカ、春の祭典のストラヴィンスキー3大バレエという、めったにないゴージャスプログラム😆 どれもバレエで散々聴いている曲で大好き。
なのに、生まれて初めての演奏会遅刻をした。。。
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普段は20時半開演のフィルハーモニー・ド・パリの演奏会。当然夕べもそうだと思って20時10分くらいに余裕で会場前に着くと、辺りはシン。ものすごい嫌な予感を抱えながらチケットを見返すと、まさかの19時開演。ひどいよ、20時半以外の演奏会なんて、いままでなかったじゃない
😢中に入ると、火の鳥後のアントラクトの終わりかけ。一番楽しみにしていた曲が聴けずがっくりだけど、30分ギリギリについていたらペトルーシュカも聴き逃したかと思うと、よしとしなくては。

気を取り直してペトルーシュカ。ラトルらしいメリハリある表現は、ストラヴィンスキーにぴったり。躍動感があって、音楽があの楽しくも切ないストーリーを完璧に語っている。パリオペラ座管の音が頭に染み入っているだけに、ペトルーシュカの素晴らしさを再発見するばかり。
祭典も文句なし。エリートっぽいといえばエリートっぽい仕上がりだけど、この難しい曲を、一瞬も聴き手の意識をそらすことなく、ぐいぐい食い込んでくる。横の席のおじさまは、”もし僕が寝ちゃっていびきかいたら、つねってね”と言っていたけど、いびきをかくどころか身を乗り出して聴き惚れていた。ホルンが8人もいる、超大編成。ホルン、たまに揃ってベルを上げる箇所があり、かっこいい~。でも一人だけあまり上げない人がいるのも、なんか楽しい。
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個人技術はもちろん、この間聴いたベルリン・フィルの面々と比べちゃうと劣るけど、さすがにいいオケ。なにより、サー・サイモンがとても嬉しそうにタクトを振っているのが微笑ましい。
トランペットが強音も弱音もそれはそれは見事で、打楽器群とともに今夜一番の拍手。フルートも拍手喝さいだったけど、ヒューッと抜けるような甲高い音はあまり好きでなく、個人的には今夜唯一しっくりこなかった楽器。弦は饒舌でドラマティック。極上音響のホールに、高らかと音を響かせている。表現力豊かな、演劇の国らしいオケだなぁ。
あぁ、つくづく、火の鳥がもったいなかった。すごかったのでしょうね。大興奮だったにちがいないあの時間に、のんきにセーヌを眺めながらおしゃべりしていたとは、われながら情けない、、。

大喝采の中、ステージを埋め尽くす大量の楽団員の間を抜いながら、コントラに挨拶、クラをねぎらい、打楽器に拍手を送り、金管を絶賛するサー・サイモン。このオケの新たな黄金時代が、これからこの偉大な指揮者と始まるのでしょうね。このコンビで次は12月、大好きなツィメルマンをソリストに、パリに来てくれる。今度は絶対遅刻しません!
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by yukinokano2 | 2017-09-24 08:07 | アート

Journal de Yukino KANO, journaliste culinaire.  パリ在住ライター加納雪乃が綴る、フランス食文化を中心にした、おいしい日々の記憶。文章&写真の無断転載禁止。
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