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Paris Gourmand パリのおいしい日々2

オペラ座バレエミルピエ”ダフニスとクロエ”&ベジャール”ボレロ Ballet de l’Opera Daphnis et Chloe de Millepied & Bolero de Bejart

01, 15 mars 2018

Ballet de l’Opera. Daphnis et Chloe de Millepied & Bolero de Bejart.
Mathieu angélique, Dorothee suave, Eleonora&Alessio très agréables, Francois extraordinaire et Pablo trop mignon. Distribution vraiment parfaite.
Très contente de voir Marie-Agnes dans cette pièce pour laquelle j’ai beaucoup de bons souvenirs.
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3月1日:
前夜はオペラ、今宵はバレエでオペラバスティーユ。
パリ国立オペラ座バレエ、ミルピエ”ダフニスとクロエ”&ベジャール”ボレロ”。ラヴェル特集。
バンジャマン・ミルピエがオペラ座バレエのトップに就任する前祝いで創作した”ダフニスとクロエ”。ダニエル・ビュランによるセノグラフィーが大きな話題になり、オペラ座音楽監督のフィリップ・ジョルダンが、非常に珍しくもバレエを振ってくれたっけ。ミルピエ、三顧の礼を持って迎えられたのにね、、。初演はオレリー&エルヴェ、第二配役レティシア&マチュー。第二配役の方が神話的な可愛らしさがあって好きだったな。
今夜は、ドロテ&マチューに、脇はエレオノーラ&アレッシオ、そしてフランソワ。かんっぺき。
マチューの天使感が半端ない。とろけるような笑顔がまぶしすぎる。ドロテと二人、ファンタジー100%。久しぶりのアレッシオも心地いい。そして目を見張るようなフランソワ劇場に、口があんぐり。コールでは、パブロに目が釘付け。長い手と独特のリズム感、シュッシュと風をきるような軽やかな動き、そして彼ならではの笑顔で、コールで目立ちまくり。ともすれば、マチューからパブロに視線が移っちゃう。マチューだってものすごくいいのに。パブロもダフニス踊れるね。いつか、ぜひ。まずは、週末のコンクールでスジェに昇進しようね!
ミルピエ作品はきれいだ。そつなくきれいでセンスもいい。でも、バランシンとロビンスにどうやっても敵わないのを再確認。とはいえ、まだ若いし、これから師匠達のレベルに行くのかもしれないね。
ビュランのうつくしい舞台を見事な照明が引き立てて、作品を盛り上げている。照明ってこういうことだと思う。前夜のラ・トラヴィアータとは全然違う。
ベジャールの”ボレロ”、久々。3年くらい前にニコラが引退公演で踊ったけど、それを抜かせば,実に9年ぶり。今夜は、今月末についに引退してしまうマリ=アニエス。この作品、彼女の十八番の一つ。このタイミングで”ボレロ”があってよかったよかった。昔踊った時の、ピンと張り詰めた緊張感と圧倒的なオーラはさすがになくなっちゃってるね、と、知り合いと軽いため息。けれどさすがの存在感だし、愛してやまない腕は健在。生き物のような彼女の腕を眺めながら、何十回もの感動をくれつづけた大好きなダンサーにしんみり見入る。
オケ、昨日より今日の方が好み。同じオペラ座オケではあるけれど。指揮はマキシム・パスカル。まだ30代前半の若いフランス人。昨シーズンのオールラヴェルプログラムでかなりよかったので、楽しみにしていた。今夜のラヴェル2作もなかなかのもの。大規模オケなのでオケピットが低く、指揮者の顔がほとんどみえないのが残念だったな。とはいえ、両作品とも舞台から一瞬たりとも目を離す隙がなかったけど。
55分と16分。あーっというまに終わっちゃう。もう一つラヴェルを入れて3作オムニヴァスにしてくれればよかったのにね。
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Ballet de l’Opera. Daphnis et Chloe de Millepied & Bolero de Bejart.
Sublime Mathias!!!
3月15日:
ミルピエ”ダフニスとクロエ”。ジェルマンはまあまあ、ほか3人はう〜ん。第一配役の方がずっとよかった。フランソワは相変わらずすごくて、会場に大拍手をもたらす。コールにパブロがいなくて悲しい。
初演のときもこの間も思ったけど、やっぱりミルピエは30分までがいい。この間は、ダンサーが揃ったので長さをそこまで感じなかったけど、今夜はちょっぴり飽きてしまう。
そして、待ってました!マチアスの”ボレロ”。これを見るためだけに今夜のチケットを買ったようなもの。
なんか不思議な”ボレロ”。想像していたのとちょっと違う。しなやかで敏捷。中性的で、官能的というより色っぽい。いい意味で、ちょっと怯えたような表情がしばらく続き、最後一気にトランス状態になる感じ。
昔のニコラやマリアニエスみたいな圧倒的な存在感とか質感ではなく、ジョゼみたいな妖艶さでもなく、シルヴィーみたいな強烈なオーラでもなく、シャープにクールに踊っていく。”ボレロ”で見たことなかった独特の軽さが、なんか不思議で美しい。マチアスに初めて色気を感じる。彼を初めて見た頃は、”ラ・フィーユ・マル・ガルデ”のフルートなんかを踊っていたのに、こんな表情でこんな作品を踊るようになるなんて、、、と、ちょっとじ〜ん。
そしてやっぱり思うのは、この作品、男性ダンサーのほうがいい。女性ダンサーだと、体にどんどんあわられる汗の美しさや、それを撒き散らす瞬間が見られないのだもの。
この作品を見るたびに必ず思うけど、ジョルジュ・ドンはどんなボレロを踊ったのかしら?世代が合わず、つくづく残念。
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by yukinokano2 | 2018-03-19 00:02 | アート

Journal de Yukino KANO, journaliste culinaire.  パリ在住ライター加納雪乃が綴る、フランス食文化を中心にした、おいしい日々の記憶。文章&写真の無断転載禁止。
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